なぜ製造業の人事評価がうまくいかないか~ダメな組織の3つのナイ~

ノウハウ記事

著者

GEMBA Producer
大原 健佑
日本の中小製造業を専門に現場のコンサルティング業を経営。QMS審査員補:2015(ISO9001審査員資格保有)。10年間製造業に勤務した製品開発・生産技術・品質管理の経験から、製造業の現場で起きている問題の多くは「品質保証・業務プロセス設計・問題解決」で解決できると突き止める。経営視点を持ちながら、製造業の現場向けにIT・AI活用などの最新手法から、泥臭く地道な改善までの手法を融合させたコンサルティングを行う数少ないコンサルタントとして、日本全国の中小製造業に顧客を持つ。「こんな現場の生々しい話、誰に相談して良いか分からなかった!」と大好評を得ている→ 詳しいプロフィールを見る

 

お客さまのとある製造業の方から、こんな質問をいただきました。

「製造業の人事評価ってどうやってやるんですか?」

と。

その方(Aさん)は、銀行を定年退職され、その後その企業の嘱託として、別視点から改善・改革を進めていく役割を担っており、そのうちの一つが人事評価制度の刷新でした。

さて、Aさんは人事評価制度刷新に当たり、どのようなことを感じたのでしょうか?

そして、人事評価制度がうまく運用できない理由はどこにあるのでしょうか?

今回は、その辺りを具体的に探っていきます。

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製造業の人事評価は難しい?

上述しましたが、Aさんは元銀行員です。

しかも、その銀行は第一地方銀行であり、規模も大きく、もちろん人事評価制度もきちんと構築されていました。

任命された当初は、そんな完成された人事評価制度を踏まえて、製造業に少しモディファイしていくことを考えていたようです。

ところが、こんな壁にぶち当たりました。

「個人をどうやって評価するの?」

と。

そう、銀行員、特に営業部門では、お客さまとの契約件数や売上金額など、“数字”で個人を評価しやすいのに対して、製造業では組織で製造をしているため、各個人をバラバラに評価することが難しいのです。

 

さて、ここからは、一般的な人事評価制度がイマイチイケていない、上司のさじ加減一つでどうにでもなってしまう制度になってしまっている理由に迫っていきます。

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評価表がナイ

人事制度において、評価表は必須です。

これがないということは、かなり基本的なところから頑張らないといけません。

とはいえ、先代が一代で築いてきた企業であったり、とにかくがむしゃらに売り上げを作ってきた会社にとって、こうした制度の構築が遅れることも仕方がないと思います。

カリスマ的な社長がリーダーシップを執り、従業員もその社長に従ってきたので、その社長の評価が絶対だったわけですから。

ただ、やがてはそうした企業も次世代の経営者に権限を委譲していかなければいけません。

その際に、従業員評価の基準となるものがないと、経営者の好き嫌いで評価されていると思われてしまいますね。

そういう意味において、評価表はとても大事なモノなのです。

業務定義書がナイ

「業務定義書」

聞き慣れない方も多いかもしれませんが、読んで字の如し、業務を定義したものです。

各部門や担当の業務を文字として定義し、それぞれの従業員が何の仕事をすれば良いのかを明確にする意味があります。

ポイントは、文章・文字として明文化され、誰もが同じ解釈ができるようになっていることです。

口頭で言うだけではダメです。

文字で書かれているからと言って、いろいろ解釈ができてしまうようなものもダメです。

人によって、

「ここまでは自分、ここからはあなた」

というある程度の線引きに関する認識が共通にならなければいけません。

人事評価という点においては、自分が求められている仕事が何かわからなければ、従業員は何を期待されているか分かりませんよね。

従業員に何の仕事を期待しているのかを伝える必要があるのです。

キャリアパスがナイ

これも意外と多いパターンです。

従業員ばモチベーションを失うときの言葉として、

「このままやってて自分はどんな人間になれるんだろう?」
「このあと自分は何がどうなることを目指せばいいんだろう?」

というものがあります。

つまり、今後の自分のキャリアの見通しができなくなることがあるんですね。

もう一つ。

例えば、最終出来に部長になるとして、それまでの道のりはどういう道のりがあるのでしょう?

少し具体的な製造業の事例で考えてみます。

スタートが製造課の担当、ゴールが工場長だったとします。

製造課の担当として技術を身に付けていった先に、現場の班長などのリーダーがあるでしょう。

そのリーダーとして、生産実績管理や情報伝達、現場の改善などの管理スキルを少しずつ身に付けながら、次は係長になります。

製造課の係長として、製造課員のマネジメントや品質保証などのシステムなどを学んでいきます。

さて、その次は何があるでしょうか?

そのまま製造課長になるのでしょうか?

それとも、品質管理課にいって品質保証の全体のシステムを学ぶのでしょうか?

あるいは、生産管理課にいって工場の生産計画立案などの上流工程を学ぶのでしょうか?

はたまた、生産技術部にいって現場の生産効率化について学ぶのでしょうか?

事例をたくさん上げてみましたが、明確な正解があるわけではありません。

大切なことは、企業としてどんなビジョンを掲げていて、そのビジョンに連動した人材計画があって、どんな知識や経験を身に付けた人に工場長になってほしいのか、企業側が示してあげなければいけないということです。

このキャリアパスがないと、人事評価の肝となる評価表の設計も、本来はままならないでしょう。

よくある失敗パターン

パターン1:評価表の項目に腹落ち感がナイ

社外の研修等で学んだ方法を用いて評価表を作成しても、学んできた評価表はごく一般的なもの。

そうした一般的な項目で評価する際に、

「ん~、ウチはこれって当てはまるのか?」

という疑問が、考課者にも従業員にも生じることがあります。

そうなると、人事評価の制度そのものが軽視され、意味をなさないものになってしまうんです。

従って、あくまでも各企業のビジョンや経営計画と連動したものになっていないといけません。

パターン2:業務定義書もキャリアパスもないのに評価表に基づいて評価する

評価表だけがあっても、決して良い評価制度にはなり得ません。

それでは、なぜこうした失敗が数多く存在するのか。

1つは、評価表を作ること自体は難しくないということがあります。

インターネットから無料でテンプレートをダウンロードできたりもしますし、人事系コンサル会社では評価項目もある程度標準化されて、各企業でカスタマイズして導入するところもあります。

もう1つは、業務の定義を明確化することやキャリアパスを見える形で整理することが難しく時間がかかることがあります。

「〇〇課の業務はだいたいこういうこと!」
「工場長になる人ってだいたいこういう人!」

という暗黙の了解があるだけに、改めて大変な思いをして明文化することを怠ってしまうのです。

結果として、時の考課者の認識が少しでも異なれば、評価基準も異なり、結果として上司のさじ加減で評価しているように見え、上司が変わったら仕事のやり方が変わってしまう文化が出来上がってしまうのです。

おわりに

さて、これをお読みの企業様においては、人事制度はうまく運用できているでしょうか?

以下の3つの要素を兼ね備えた強くしなやかな人事制度を構築し、従業員の士気の向上やモラール向上を図ることで、会社組織そのものを活性化させ、成長の活力にしていっていただきたいものです。

1.評価表
2.業務定義書
3.キャリアパス

経営ビジョンの実現、そのための経営計画、そのための人材計画。

ぜひ、考えてみてください。

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