
GEMBA Producer
大原 健佑
日本の中小製造業を専門とする現場のコンサルティング業を経営。中小企業診断士・QMS審査員補:2015(ISO9001審査員資格)。製品開発・生産技術・品質管理にの現場に10年間従事した経験から、製造業の現場で起きている問題の多くは「品質保証・業務プロセス設計・問題解決手法」で解決できると突き止める。経営視点を持ちながら、製造業の現場向けにIT・AI活用などの最新手法から、泥臭く地道な改善手法などを融合させたコンサルティングを行い、日本全国の中小製造業に顧客を持つ。「こんな現場の生々しい話、誰に相談して良いか分からなかった!」と大好評を得ている→ 詳しいプロフィールを見る
とある企業(製造業)にて、PM(プロジェクトマネジメント)手法を活用して4つのプロジェクトを進行させています。
メンバーには製造業向けのPM手法を身につけてもらおうと活動している中で、PM手法を使うことのメリットの声が上がってきました。
この記事では、これまでにPM手法を使わずに数々のプロジェクトが頓挫したり立ち消えになってしまっていた企業が、実際にPM手法を活用してみて感じたメリットについて紹介していきます。
※ここで指す“PM手法”とは、さまざまな団体が主催する PMBOK などに基づいて行うプロジェクトマネジメントマネジメントとは異なります。一部手法を取り入れ、製造業の現場に向けた手法としてオリジナルで確立している手法です。
Contents
メリット①:道に迷わない

「そもそもなんでこれやってるんだっけ?」
プロジェクトがとん挫したりドライブが悪くなる際に起こるとき、こんな発言がメンバーから聞かれることがあります。
何ための作業なのかが分からなくてモチベーションが保てなくなってしまうんですね。
モチベーションが保てないと、当然作業の優先順位は下がります。
結果としていつの間にかプロジェクトがなくなっていたり。。。
その点PM手法では、目的やその解決方法、あるいはプロジェクトを進めるにあたって起こり得るリスクとその回避方法などを事前にしっかりと定めます。
リーダーを中心に目的やリスク、リスクの回避方法などを定めたプロジェクト憲章をまとめ、そのプロジェクト憲章をオーナーが承認する形で進めますので、目的を見失わずに作業を実行できるメリットがあります。
メリット②:網羅的にできる

そっちのこと考えてなかった💦
これもプロジェクトを進める上でよく耳にする発言ですね。
良かれと思って進めていたことでも、関わる人がどんどん広くなっていき、新たに関わることになった別部署の人から突然「待った!」がかかったり、盲点を突かれる質問をされて計画を見直さなくてはいけなかったり。
こうしてプロジェクトは頓挫してしまう。。。
その点PM手法を活用すると、何しろ事前の計画段階で、上述したリスクマネジメントの他、ステークホルダーのリストアップなども行いとにかく網羅的に考えますので、あらかじめプロジェクトに関わるであろう範囲が網羅できることにあります。
そして、事前にプロジェクトを進めるにあたって必要になるであろうタスクも全て洗い出すことになるので、予想外のことが起こりにくくなります。
従って、その都度あたふたしなくて済むことで、プロジェクトを進めることができるメリットがあります。
メリット③:計画的にできる

あれはいつどうやってやろう?
プロジェクトを進めるにしたがって、どんどん新たにやることが出てきたり、具体的にどうやって手を動かそうかイメージできずについつい後回しにしてしまって、後のプロセスに影響を与えてしまう。
そんな経験ありませんか?
PM手法では、そういったことも全てあらかじめ具体的に計画を立てます。
曖昧な点はなるべく排除した計画を立てるんです。
そしてその立てた計画はプロジェクトオーナーが承認し、オーナーの責任の下で実施されていきます。
そんな責任あるオーナーも、具体的でない計画を承認するわけにはいかないんですね。
そして、タスクが洗い出されていて、数週間、数か月先のタスクまで見えている状態なので、今後自分が行っていくであろう作業項目とボリュームが明確に見通せている状態になります。
新たに来た仕事があっても、プロジェクトの計画を踏まえた計画を立てることができ、プロジェクトの進行に与える影響を最小限にすることができます。
メリット④:予定変更の即時対応が可能

また予定外の仕事が来た!プロジェクトの計画どうしよう!?
プロジェクトを行うとき、中小企業は特に人材が潤沢にいるわけではないので、プロジェクト専任ではなく、日常業務との兼任で進めることがほとんどです。
プロジェクト以外の日常的に行わなければいけない仕事が忙しくなったりして、プロジェクトの作業の優先順位が下がってしまうことはどうしても起こり得ます。
PM手法では、プロジェクト以外の業務に関するコントロールはできないです。
ただし、計画時に、タスクのフロー図を描く際、それぞれのタスクの最短達成時間と最長許容達成時間を求め、その差(フロート)もあらかじめ計算しておきます。
「このタスクは〇日間の猶予があるな」
ということが瞬時に分かるように計画が立てられているのです。
従って、仮に日常業務が忙しくなったときでも、着手日を何日遅らせても問題ないかがわかるため、計画変更が容易にできるというメリットがあります。
メリット⑤:後のプロセスを見渡して作業が可能

この後って誰がどんなことするんだろう??
1つの仕事をする際、そのあとにどんな事が控えているのかを知っておくことは、
アウトプットの質=次プロセスのインプットの質
を高める上でもとても大切なことです。
後の人がそのアウトプットをどう使うかを知らなかったばっかりに、結局もうひと手間かけないといけないっていうことは良くあることです。
PM手法では、あらかじめタスクを洗い出し、そのタスクのフローを作成します。
従って、次の工程どころか、その次、そのさらに次、、、と、プロジェクト完了までのタスクのつながりを把握することができるため、1つ1つのタスクでどのようなアウトプットにしたら良いのか、1つのタスクが遅れたらどのタスクに影響を及ぼすのか、全て見渡せる状態になります。
こうなることで、タスク間のやり取りがスムーズになり、作業の無駄が省けるのです。
おわりに
いかがでしょうか?
製造業、特に中小企業の方は、プロジェクトマネジメントの手法を教えてもらうことは少ないと思います。
とはいっても、体系的にPMBOKなどを教わろうとするとかなりのボリュームがありますし、本業とは違ったスキルになるために習得するのも大変です。
悪い言い方をすると“つまみ食い”されたPM手法ではありますが、まずはこのくらいから始めてみてはいかがでしょうか?
時代や環境の変化が激しくなり、事業の変革や再構築がより一層求められるようになる中、企業内のプロジェクトを進める力は確実に必要になってきています。
例えば、
「新製品を開発する」
「製造リードタイムを削減する」
「材料コストを削減する」
など、企業内でプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトを進めながらPM手法を習得していくと良いと思いますよ!
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