著者

GEMBA Producer
大原 健佑
日本の中小製造業を専門に現場のコンサルティング業を経営。QMS審査員補:2015(ISO9001審査員資格保有)。10年間製造業に勤務した製品開発・生産技術・品質管理の経験から、製造業の現場で起きている問題の多くは「品質保証・業務プロセス設計・問題解決」で解決できると突き止める。経営視点を持ちながら、製造業の現場向けにIT・AI活用などの最新手法から、泥臭く地道な改善までの手法を融合させたコンサルティングを行う数少ないコンサルタントとして、日本全国の中小製造業に顧客を持つ。「こんな現場の生々しい話、誰に相談して良いか分からなかった!」と大好評を得ている→ 詳しいプロフィールを見る

 

何かと属人化しがちな製造業の事務作業。

見積もりは自分がやってます!

調達手配は自分がやってます!

出荷関係は〇〇さんに聞いてください

大して広くない同じ事務室内ないのにこんな言葉が飛び交う事務所。

そんな“昭和な職場”から脱却しませんか?

今回は、私が以前に訪問させていただいた 日本ツクリダス株式会社 様(従業員数約20名)が実際に運用していた仕組みの一部をご紹介していきます。

紙は悪じゃない!

昨今叫ばれているIT化。

ITの活用はあくまでも効率化をするための一つの手段であるにもかかわらず、アナログ運用が全て悪のように語られ、特に“ペーパーレス”なる言葉まで生まれて、いかにも紙の運用をしていることが非効率を象徴しているように語られます。

ITの専門家も、「まず紙を止めましょう」という杓子定規に一刀両断してきます。

ところが、冷静に考えてください。

機械加工の担当者は紙の図面を見て作業しますし、検査員も紙の図面にそのまま測定結果を書き込みます。

事務の現場では見積書作成、注文書受け、生産指示、出荷指示、納品書etc…一部情報のデジタル化は可能であっても、一連のプロセス全てをデジタル化してしまうと不都合になってくることも多いはずです。

改めて言うと、

「紙は悪じゃない!」

「ITと紙のいいとこ取りをして効率化することこそが大事!」

まずそのことを申し上げておきます。

プロセス全体を見える化する

さて、タイトルにもある属人化を防ぐ一つ目の切り口として、業務プロセスの全体を見える化することがあります。

例えば、一人の事務員の方に作業を教えるときは、通常はその作業のやり方を教えますよね。

そうではなく、自社の受注から納品までのプロセス全体の流れを知ってもらってから、個々のプロセスで必要な作業を教えていくことになります。

ところが、この方法が理想的であるとは思うものの、なかなかプロセス全体を教えることは難しいですし、時間がかかることが想定される上、教育をする方も全ての流れを知っているとも限らない。

ISOのために作成した何十ページのマニュアルを見るなんて到底無理

そこで、下記の写真のように紙の運用を前提とした業務プロセスごとのBOXを用意します。

事務所の真ん中にこのようにテプラで業務プロセス名を貼ったBOXを用意するんです。

BOXの色は営業課と総務課の役割分担で、この場合は青が営業課、黄色が総務課になっています。

こうした部署を跨いだプロセスに一連を見えるように配置するところも大きなポイントですね。

このBOXは、下記の写真のように業務が流れていくように設置しています。

こうすることで、事務所の全員が自社の業務プロセス全体を知ることができます

さらに、紙の運用を認めるということを上述しましたが、各BOXにはクリアファイルに入れられた案件ごとの紙が格納されています。

見積書や注文書や図面などです。

勘違いしてはいけないのは、こちらの紙の情報、システムにも全て納められています。

従って、クリアファイル内にある紙に貼られたバーコードを全席に設置してあるバーコードリーダーで読み取ると、全ての情報がリンクされて画面上で確認することもできるんです。

つまり、ITと紙の併用

業務の進捗そのものは紙の運用で見える化し、情報管理自体はシステムで行っているのです。

多能工事務員によるプル型の仕事

さて、上述の業務プロセスBOXによって、ボトルネックになっているプロセスが一目でわかるようになります。

事務員の方は、全体を見渡して、今この瞬間においては最も優先順位が高いであろうプロセスのBOXから書類を持ち出し、デスクに戻って作業を始めます。

こんなことができるのは、プロセス全体が見えていることと、各業務の進捗が見えているからに他なりません。

そして、各事務員の方は皆さん、基本的にはどの業務プロセスの作業もできるようになっています。

ある一つのプロセスの作業をしたとしましょう。

作業が完了したら次のプロセスのBOXに書類を格納します。

つまり、そのあとのプロセスはどんな仕事であるかも把握していることになります。

こういう業務プロセスの連鎖を常に意識できるので、事務作業の多能工教育も非常にやりやすいはずです。

そしてポイントはもう一つあります。

【人→人】を絶対にしないようにしています。

そうすると、その案件がどこになったのかが分からなくなってしまうからです。

そうではなく、必ず、

【人→BOX→人】

という手順を守るように徹底されています。

これによる副次効果として、自分のペースで仕事を受けられるというメリットもあります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

業務プロセスの見える化と紙の運用について、事務作業の属人化を防ぐヒントにはなりましたでしょうか?

最後に一つ注意点です。

日本ツクリダス株式会社さんの各事務員の方は、全員女性のパート社員です。

休んでいい、遅刻していい、中抜けしていいなど、子育て世代にはかなりうれしい条件です。

そして、デスクは120cm幅で各デスクはデュアルモニターになっています。

つまり、働く環境がめちゃくちゃいいんですね。

そんな満足感から、積極的に仕事をしようとしますし、仕事場に来たらサボろうなんて思っていないわけなんです。

だからこそ成り立つプル型の仕事でもあります。

道具(ツール)だけ揃えてもダメで、こうした環境作りができてこそ、仕組みが運用されるということもお忘れなきようお願いいたします。

ご自身の職場では具体的にどのように導入していくべきかなど、ご不明な点やご相談がございましたらお気軽にお問い合わせください。

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コメント

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