なぜ”品質”か~元”品質嫌い”が語る品質重要性の3つのポイント~

どれだけ?価値観, 仕事観

著者

GEMBA Producer
大原 健佑
日本の中小製造業を専門に現場のコンサルティング業を経営。QMS審査員補:2015(ISO9001審査員資格保有)。10年間製造業に勤務した製品開発・生産技術・品質管理の経験から、製造業の現場で起きている問題の多くは「品質保証・業務プロセス設計・問題解決」で解決できると突き止める。経営視点を持ちながら、製造業の現場向けにIT・AI活用などの最新手法から、泥臭く地道な改善までの手法を融合させたコンサルティングを行う数少ないコンサルタントとして、日本全国の中小製造業に顧客を持つ。「こんな現場の生々しい話、誰に相談して良いか分からなかった!」と大好評を得ている→ 詳しいプロフィールを見る

 

元”品質嫌い”だからこそ気が付いた”品質”視点の重要性。業務改革/改善において、その視点は欠かすことのできないものです。

今回は、その重要性について紹介していきます。

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①:【プロセス】という概念

ISO9001の原則の1つに「プロセスアプローチ」という考え方があります。

プロセス

上の図のように、プロセスとは、インプットをアウトプットに変換する部分を指します。

例えば、以前に記事>>品質保証と検査~検査の2つの顔と1つの大きな勘違い~でも書きましたように、「品質=検査」と考えている人は、アウトプットを一生懸命検査し、それ以降のプロセスへの流出を防ぐことに躍起になってしまいます。

ところが、プロセスアプローチの考え方でいけば、アウトプットを保証するためには、インプットと、このプロセスそのものをきちんと定義し管理するという考え方になります。

業務改善において必要なのは、このインプットの明確な定義と、アウトプットを保証するプロセスの構築にあります。

それだけと言っても過言ではありません。

なぜなら、現状でのお困りごとや悩みを伺っていくと、インプットの定義が曖昧であることと、アウトプットを保証するためのプロセスの構築がきちんと出来ていないことが要因で、各プロセスでの本来は不適合とされるものが流出し、その不適合が原因となって顕在化した不具合(インシデント)に工数を奪われたり突発の対応が増えて非定常業務に振り回されているケースがほとんどだからです。

この【プロセス】はあらゆる業務に適用可能で、その大きさは時と場面によって定義しなければなりません。

この点が、日常において意識することが難しい点となっています。

例えば、「設計」「生産準備」「生産」のような定義もあれば、「受注情報取得」「生産計画立案」「生産指示発行」のようなプロセスの定義もあります。

場面場面において、瞬時に意識しながら日常業務を行うことはなかなか難しいと言えるでしょう。

ただし、日常業務において何かしらの問題を感じているのであれば、きちんとプロセス分析をしてみることをお勧めします。

難しいようであれば一緒にやりましょう!

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②:あらゆる産業に適用可能

農業漁業

さて、このプロセスの考え方は、なにもものづくりだけのものではありません。

ISO9001が2015年に改定された際、サービス業への適用を強く意識して改定されています。

ソフトウェア開発、農業、漁業、林業、飲食業、小売業、、、あらゆる産業に適用可能なのです。

なぜなら、それらすべてのものは、何かしらのインプットを得て、何かしらのアウトプットに変換する【プロセス】があるからです。

インプット品質の定義、アウトプット品質の定義、そのアウトプット品質を保証するためのプロセスの定義、これら品質的なアプローチで、あらゆる産業現場の改善は進められると考えています。

例えば飲食の接客業。

お客様からの注文はインプット、食品の提供がアウトプット、その間の作業がプロセスと定義します。

この場合、インプットの品質を高めるためにメニュー表を用意してメニューを標準化したり、英語メニューを併記したり、券売機で事前に食券を買っていただいたりします。

アウトプットの品質を保証するために、メニューに番号をつけて厨房への情報伝達ミスを減らしたり、注文を繰り返すというプロセスを作ったり、提供時にメニュー名を読み上げたりします。

さらに、笑顔で丁寧に接することでアウトプットに付加価値をつけることができます。

農業や漁業などの第一次産業でも同様です。インプット, アウトプット, プロセスの定義さえしっかりできれば、それぞれの品質を保証する仕組みを構築すれば良いのです。

③:経営に通じる品質

インプット, アウトプット, プロセスのスコープを、小さいところから始めて改善を進めていくと、そのスコープはだんだん大きなものになっていきます。

最初は、現場の作業手順レベルのスコープが、やがて業務単位になり、組織編成や経営理念に通じてくることになります。

ISO9001が2015年に改定された大きなポイントの1つに、「リーダーシップ」があります。それまでの要求以上に、経営者への責任がより強く求められるようになりました。

私は品質の専門家の端くれとして、現場におじゃましたときには、まず品質方針/品質目標を見ます。

ISO9001認証取得している現場であれば、それが目に留まるところにあります。

この品質方針/品質目標を見ると、その現場のおおよその品質に対する理解度が分かります。

工場長や役員の品質に対する理解度が低い場合、アウトプット品質を保証するためのインプット管理, プロセス管理が適切に出来ておらず、現場では不具合が散発してしまい、当然ながら品質目標達成のためのアプローチも適切でなく、ISOのためだけのお飾り目標となるか、あるいは達成可能な目標を定めている現場が、残念ながら多いのが現状です。

「経営品質」という言葉もあります。

アウトプットの質や量を上げるためのプロセスへの投資判断は、求めるアウトプットの品質と、そのアウトプットに必要なプロセスの品質を定義できてこそです。

経営判断の土台も、やはり現場の”品質”にあるのです。

さいごに

現場改善

私は、”元品質嫌い”だからこそ、品質に対する理解をしたときにその重要性に気が付くことができました。

まだまだ、品質に対する理解が深くない現場も多くあります。

測定データなどの狭義の品質ではなく、「広義の品質」に対する理解を深め、あらゆる現場の業務改善に”品質”を活用して、もっと働きやすく、もっと活力のある日本の産業の土台を支える現場の活性化に貢献したいと考えています。

乞うご期待!

前回記事>>なぜ”品質”か~元”品質嫌い”が語る4つの転機~


コメント

  1. […] […]

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