システムの問題地図 「で、どこから変える?」使えないITに振り回される悲しい景色 沢渡あまね


システムの問題地図
「で、どこから変える?」使えないITに振り回される悲しい景色
沢渡あまね 著



システム開発の全体感

唐突ではありますが、業務系ソフトウェア開発の7割は失敗すると言われています。

かなり高い失敗率ですよね。かく言う私も、失敗の現場を見てきましたし、やはり私の体感的にも7割くらいは失敗しているような気がします。失敗と言うのは、最終的にユーザーがほとんど使用しないケースやごく一部の機能しか使えていないケースを指します。

IT技術が発展し専門化が進む一方で、ユーザー側のIT技術に対する理解の遅れがあり、業務側とベンダー側のギャップが大きくなっている印象を受けています。

この本の特徴

この本は、あらゆる立場からシステム開発を眺め、それぞれの立場の人が何をどう考えているのか、失敗する例を紹介しています。

◇ユーザー
・業務部門
・情報システム部門
◇ベンダー
・営業
・開発
・運用

それぞれの立場によってもちろん言い分はあり、そういった言い分の”生”の声がそのまま書かれています。

システム開発の現場にいると、うまくいかないときは特に、自分の立場での感情を優先するあまりケンカ腰の言葉に聞こえてしまうわけですが、この本を読むにあたっては、自分の立場はいったん忘れて、純粋にあらゆる関係者の立場になって読んでみると良いでしょう。

難しい言葉での理論的な解説ではなく、システム開発の現場に寄り添った声や表現で、なぜ失敗しやすいのか、どのように考えていけば良いのかが解説されているので、非常に読みやすいですし、「あぁ、この立場の人はこんな風に考えているんだ」「自分がもう少しこう歩み寄ってみると何か変わるかもしれない」という気づきを得ることができます。

私の感想

私のこれまでの経験は、ベンダー側4割、ユーザー側6割の割合でシステム開発に携わってきました。IT技術としては要件定義からせいぜい外部設計くらいの領域しかわかりませんので、どちらかと言うとユーザーの希望に応えるためのシステム開発をコンサルタントとして進めてくることが多かったです。

ユーザーの事情は何となく分かりましたし、ベンダーの言い分も何となくはわかっていたつもりでしたが、この本を読んで、何となく理解していたことがより鮮明になり、それぞれの立場の人がどのようにしていくべきなのか、革新を持つことができました。極端なことを言えば、システム開発を開始する際には、関係者にこの本を配って読んでもらうことから始めても成功率は極端に上がるような気がします(笑)

現在システム開発を担当していて上手くいか無くて困っているユーザー側の人、システム開発の成功率を上げて売り上げを上げていきたいベンダー側の人、あるいは直接的にシステム開発担当ではないけどマネジメントをするような人にお勧めできる1冊です。

またITがわからないユーザーの業務担当の方も少しは勉強する必要があるのだと思いますが、日常業務が繁忙だったりでなかなかうまく進められない課題もありますよね。安心してください。私もそうでした(笑)そのITがわからない人の記事もまとめていますので、ご参考まで。>>ITわからない人の気持ち、わかります!




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