著者

GEMBA Producer
大原 健佑
日本の中小製造業を専門とする現場のコンサルティング業を経営。中小企業診断士・QMS審査員補:2015(ISO9001審査員資格)。製品開発・生産技術・品質管理にの現場に10年間従事した経験から、製造業の現場で起きている問題の多くは「品質保証・業務プロセス設計・問題解決手法」で解決できると突き止める。経営視点を持ちながら、製造業の現場向けにIT・AI活用などの最新手法から、泥臭く地道な改善手法などを融合させたコンサルティングを行い、日本全国の中小製造業に顧客を持つ。「こんな現場の生々しい話、誰に相談して良いか分からなかった!」と大好評を得ている→ 詳しいプロフィールを見る

 

昨今では、DX推進に取り組む企業も増えてきています。

世界の中で労働生産性の面で後れを取る日本では、是非とも取り組んでいかなければならないものです。

しかしながら、その取り組みを見ていて、DXの本質を理解していないことや取り組みの方法を間違えてしまっている企業もたくさん見受けられます。

今回は、そうした間違った考え方や間違った取組みを俯瞰的に見て指摘し、正しい理解と正しい取り組み方のヒントになればと思い、2つの考え方について紹介していきます。

DXの考え方①:フォアキャスト/バックキャスト

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これまでの日本産業の発展の歴史を見ても、日本はいわゆる「フォアキャスト(forecast)」の考え方が得意であると言えます。

forecastは、一般的にも「予測」などの意味で使われ、製造業においては受注予測などに用いられています。

過去から現在までのデータを未来に延長して「50年後にはこうなる」

といった予測のテクニックです。

過去の高度経済成長期では右肩上がりに経済が上がり、その当時の経験や打ち手を参考にして、未来の予測をする方法で計画を立てている企業は多いと思います。

しかしながら、DXで求められるのはこのフォアキャストの考え方ではありません。

DXは“Degital Transformation”の略語であることはこの記事をお読みの方はご存じのことかと思います。

Transformationの意味を調べると、変換、変形、変態、変化などの意味で使われます。

これらは、過去の延長ではありません。

そこで必要になる考え方が、バックキャスト(backcast)です。

このバックキャストは、問題解決に取り組む場合の考え方としてとても重要です。

バックキャストは、たとえば「炭酸ガスの排出量を25年後に6億トン以下に抑える」といったことを「決めます」。

つまり、目標は動かさないのです。

目標を決めてから、

「では今、そして来年から25年後まで、何を何時迄にやらなければならないか」

を決めます。

DXを本質的に理解していない企業に多いのは、まずありたい姿や目標をきちんと定義しないことにあります。

つまり、足下のデジタル化を積み重ねようとしているだけなんです。

実際には、こんな考え方をしている企業が非常に多いのです。

自動改札はDXか?

ちなみに、DXの本質的な意味を知っている人であれば、鉄道の自動改札はDXとは言わないと口を揃えて言います。

なぜなら、以前は人が切符を切って確認していた作業を機械処理できるようにしただけだからです。

それはすなわち、ただの作業の置き換えです。

百歩譲って、ICが導入されて、入場記録と出場記録をワンタッチでできるようにしたことはデジタルとダンスフォーメーションというかもしれません。

しかしながら、予めスマホでチケットを購入して新幹線に乗ることは、単純に切符の購入をスマホ端末で行うようにしただけで、Transformationも何もしていません。

ついでに言えば、それが良い/悪いという話ではないことは付け加えておきます。

DXの考え方②:ベテランと専門家/若手と素人

下の文字列を見てください。

G:25
A:31
F:19
A:21

さて、これが何を意味するか分かりますか?

DX、あるいはパラダイムシフトを語る上で、現代では欠かせない情報です。

正解は下の通りです。

<創業時の創業者の年齢>
Google:25歳
Amazon:31歳
Facebook:19歳
Apple:21歳
平均24歳

言われれば、「なるほど」と思えるものだと思います。

ここで大切なのは、こうしたIT技術を活用したサービスの開発、デジタル技術を活用したパラダイムシフトは、平均24歳の若者が起こしているという事実です。

さて、自社を振り返ってみてください。

DX推進という会社の未来をかけた取り組みを、社歴が長く社内業務を熟知していて、なおかつそれなりの権限もあるようなベテランや専門家だけで取り組んでいませんか?

はっきり言えば、そうしたベテランや専門家だけではTransformationは起こせません

ベテランや専門家だけではイノベーションは起こせません

DXを実現させるためには、若手もしくは素人が必要です。

ところが、いざ会社の命運を握るプロジェクトとなると、なかなか若手や素人をメンバーに加えることが難しくなります。

もし仮に若手や素人をメンバーに入れられたとしても、そうした若手や素人がベテランや専門家を相手にしてはっきり意見を言えるでしょうか?

こう考えると、経営者のメンバー選定能力もさることながら、風通しの良い社風もDX成功の重要なカギと言えます。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

もし、今DXに取り組んでいて、この記事の内容に当てはまることがあれば、すぐさま考え方や体制を見直した方が良いです。

なぜなら、私が知る限りで、これまでに100%失敗した事例を基にこの記事を書いているからです。

せっかくこの記事にたどり着いたのであれば、この知識を活かし、DXの成功確率を高めましょう!

そして、もしDXの取り組みの方針や具体的な取り組み方にお困りであれば、遠慮なくご相談ください。

“第三者の素人”の意見が現状打破のきっかけになります。

皆さまのDXの成功を期待しています!


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