ISO9001はなぜ難しい?なぜわからない?~解決の3つのポイント~


私の仕事がら、ISO9001について、

「良く分からない」
「自分が具体的に何をしたら良いかわからない」

というような言葉をよく頂戴します。

私がこれまでに接してきた、こういったお客様にはある程度の傾向がみられました。今回は、私が気が付いたその傾向と解決策について紹介いたします。




ISO9001がわからない人の傾向

その①:品質マニュアルを知らない

マニュアル

2015年に改定されるまでは、明確に品質管理責任者を任命しなければなりませんでした。その要求もあったせいか、ISO9001に対する活動は事務局ができることが多く、その事務局のメンバーは品質保証部門が主体となり、製造などの直接部門やその他間接部門からは各1名、というような感じで運営しているところが多いのではないでしょうか。あるいは、規模の大きくない会社であれば、担当の1~2名だけが丸抱えしている、というところもあると思います。

何が言いたいかというと、品質マニュアルに相当する規定や標準および手順書などは、この事務局が作成することがほとんどであり、実際の業務を実施する人が作成したものではない、ということがほとんどなのではないかと思います。言い換えると、実務の実施者は、自らの仕事がどんな過程を経て決められたものか、現在はどのように定められたものかを知らないということです。

そうなるとどういうことが現場で起こるか。

「このやり方変えていいのかなぁ。ダメなのかなぁ。」

この判断基準のよりどころがわからない、ということが起こります。そうすると、組織的に起こる現象としては、

・本来やってはいけないことが行われて問題になる
・決められたことしかやらなくなる

このループが発生します。

やはり、品質マニュアルについては、実務の実施者が理解できる作成の仕方がされてあるべきなのです。

その②:ISO9001の要求事項を知らない

知らない

辛うじて品質マニュアル類は見たことがあっても、ISO9001要求事項(JIS Q9001:要求事項)をきちんと見たことのある人はほとんどいないのではないかと思います。つまり、自分たちの仕事のやり方に対してどのような要求があるかを知らずに仕事のやり方を決められているのです。

仮に要求事項を読んだことがあるとしましょう。そんな人でも、要求事項をきちんと理解している人はごく少数なのではないかと思います。その理由は、ISOの要求事項はあくまで「標準」なので、冗長的でわかりにくい表現が多いからです。一度読んでも、

「ん?どういうこと?」

となってしまい、そこで理解を断念する人も多いと思います。

その③:業務全体の「仕組み」の概念を知らない

全体の仕組み

ISO9001は、業務の「仕組み」に対する要求事項です。この、業務全体の「仕組み」という概念を持っていない人が、残念ながら少なからずいるのが現実です。他の業務との関連や事業の全体像を把握し、理解している人は管理職の人でもそれほど多くないのではないかと感じています。

この「仕組み」と言う概念は非常に重要なんです。

なぜなら、ISO9001はこの「仕組み」に対する要求事項だからです。ここ、重要なので繰り返します!決して、現場の直接的な作業に対する要求ではありませんし、実務の実施者、つまり人に対する要求でもありません。「仕組み」そのものに対する要求なのです。

したがって、全体の仕組みに対する概念がない限り、ISO9001の理解は進むことがないということです。この点に気が付かなければ、現場の第一線で行われるあらゆる改善活動は、その場しのぎの作業方法改善であったり、人の教育やルール徹底などの効果のない改善に終始してしまうでしょう。

ISO9001理解度向上の解決策

さて、上記のような現場に対して、どのようにISO9001に理解を深めていっていただくか。私なりの解決策のポイントを紹介します。

ポイント①:ISO9001が「何」なのかを知る

知る

まず一番最初に、上記でも触れたとおり、業務全体の「仕組み」に対する要求事項であることを知りましょう。理解度を高める上での出発点はここです。とはいえ、これを一番最初にしっかり理解することは困難です。不可能と言い換えても良いでしょう。なぜなら、やはり個別の業務がどうなっているのかをある程度の深さで知らないといけませんし、その把握には時間を要するからです。

最初はある程度ふわふわしていても良いと思います。とにかく、その業務全体の「仕組み」という概念があることを意識することが大切です。

ポイント②:ISO9001要求事項と実務を照らし合わせる

照らし合わせる

ISO9001の理解を深める中ではこれが最重要ポイントだと思っています。実務とISOの要求事項を結びつけるという作業は、理解されていない方の多くは行っていません。一方では、品質マニュアル(規定/標準/手順書)と実務を照らし合わせてルール通りにやられてるか、どのように作業をしたら良いかを教育する、ということは内部監査の場も含めて、事務局側や審査の場ではわりと行われています。

現場の実務者にとっては、品質マニュアルと実作業を照らし合わせてもあまり理解ができないかもしれません。その品質マニュアルを作成したことそのこと事態に疑念があるからです。

「そのマニュアル誰が作ったの?」
「そのマニュアルできたのいつ?」

のような言葉が反射的に出てくる現場もあります。品質マニュアルを”正”だと思っていないのです。そんな状態ではダメです。いったん品質マニュアルは置いておいて、実務とISO9001要求事項の関連をダイレクトに見たほうが良いのです。その際の一番大きなメリットは、

「要求事項ってこんな書かれ方をしているんだ!」

ということがわかるという点です。ここに気が付くと理解が一気に加速します。

ポイント③:ISO9001の考え方を参考に問題解決に取り組む

問題

ISO9001の要求事項をただ知るだけでは何も良くなりません。本来の目的は、仕組みそのものを継続的に改善していく仕組みです。そこで、日常で発生している問題をいくつかテーマに上げ、ISO9001の要求事項を参考にしながら、どんな仕組みにしていったら問題解決につながるか、実際に取り組んでみることが一番です。

その際の注意点としては、1. 可能な限り問題を人のせいにしない、2. 小手先の対策にしない ということです。あくまで問題が起こるのは「仕組み」のせいだとして考えましょう。テーマ選びももちろん重要です。

さいごに

私がISO9001を教える際は「ISOは簡単だ!」ということを徹底すると同時に「素直な心」で読んでください、ということも言っています。(>>関連記事:ISOは簡単だ!~ISO9001の心構えと効果的な教育3つのSTEP~)

ひねくれた考え方をやめ、受け入れる素直な心を持つことで道は拓けるということを信じています。

なぜそれが言えるか、理由はただ一つ。私がもともと品質嫌いだったからです。品質嫌いだった私の考え方が分かったきっかけそのものを教えているといっても過言ではありません。(>>関連記事:なぜ”品質”か~元”品質嫌い”が語るキライだった3つのポイント~)

とはいっても、記事だけを読んでISO9001のことを理解出来たら苦労しませんよね(苦笑)

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ぜひ、一緒に学んでいきましょう!

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